株式会社 りくう
Coporate Profille
1954年にりくうの前身である中岡建設は創業しました。同社は土木建築業として歴史を重ねてきましたが、2007年に内子町商工会からの要請を受けたことをきっかけに同社は和紙作りを始めました。10年5月に水分子や気体分子を吸着する「呼吸する和紙」を発表、これ機に現社名に変更しました。りくうの名前の由来は「リフォーム・空間」の頭文字から取っています。和紙を使ったデザイン性の高い照明や建具、インテリア小物などを提案し、これまでにホテルや飲食店など約50件の施工実績があります。
Story
同社のある愛媛県喜多郡内子町・五十崎町周辺は、豊富な水と和紙の原料となるコウゾやミツマタが採れることから、古くから手すき和紙の生産で栄えていました。同地域は旧大洲藩だったことから大洲和紙として350年以上も受け継がれ、明治末期には400人を超える職人がいましたが、現在は数人しかおらず伝統産業の継承が課題となっていました。
危機感を持った内子町商工会は、06年から現在の住所表記に合わせて五十崎和紙としてブランド化を推進し、国内外へ積極的にPRを始めました。この取り組みはJAPANブランド育成支援事業に採択されました。
Interview
和紙のデザインを手掛ける和紙事業部の佐藤友佳理さんは「和紙の需要を増やすには現代のニーズに合った形で提供することが必要」と、和紙の新しい価値を創出する重要性を語っています。同社の和紙の生産手法は伝統的な手法とは異なり、高度な手すきの職人技が必要ありません。これは決して伝統を軽視しているわけではなく、むしろ「古い伝統と新しい価値観の共存が大切」と強調しています。引退した職人さんが復帰したり、職人を目指す若者が出てくるなど、同社の取り組みが地域の活力となりつつあります。
Recommendation
同社の手掛ける和紙は、和紙を糸状にした「こより和紙」を用いるのが特徴。長方形の木枠にくぎが複数打ち込まれており、そのくぎにこより和紙を掛けて網目状にします。網戸のようになった木枠をコウゾやミツマタの繊維が混ざった水に漬けて乾燥させると、薄い膜を張ったように網目の表面に和紙が形成され、独特の「透け感」が特徴です。
この手法は紙すきの職人技と比べて技術的に簡単で、大型サイズにも対応できるのが利点。現在は2・8メートル×1・4メートルのサイズまで可能です。こより和紙による網目もデザインの大きな要素で、網目の大きさや交わる角度などを変えることで、表面に形成される和紙の厚みが変わってきます。
09年にはコウゾの皮をイオン分解することで、水分子や気体分子の吸着機能を持つゼオライトを含んだ原料の開発に着手し、10年5月に「呼吸する和紙」として発表しました。同製品はゼオライトの特性を生かして湿度調節や消臭機能があることから、ホルムアルデヒドやシックハウス症候群を防止する効果があるとしています。
株式会社 りくう
Requ co.,ltd
URL: http://www.requ.jp/
住所: 愛媛県喜多郡内子町平岡甲1294番1