株式会社 我戸幹男商店
Coporate Profille
我戸幹男商店は、1908年に石川県の山中温泉で我戸木工所として創業しました。木地師の理念を受け継ぐ彰夫と宣夫の名前の頭文字を取って、屋号を「彰宣」と名付けました。「彰宣」の漆器の多くは、拭漆仕上げです。拭漆は、漆を塗って拭き取り、乾燥させる作業を何度も繰り返す塗装方法です。そのため、美しい木目のある木地が必要となります。「彰宣」では、天然素材を厳選し、高度な挽きの技法によって木目に透明感を与えるよう製品一つ一つに丁寧な塗装を施しています。
Story
山中漆器の始まりは、安土桃山時代に木地師が山中温泉の上流に移り住んだことが起源とされています。当時の製品は、漆を施しておらず、白木地のままの挽き物として売られていました。その後、京都などから漆塗りの技法が伝わり、山中漆器独自の技法も生まれました。轆轤を使い木地に極細の筋を刻む加飾挽きは、山中漆器の木地師たちが最も得意とする技法です。その技法は、千筋、糸目筋、轆轤目筋、稲穂筋、平溝筋、柄筋、ビリ筋など数十種に及びます。
Interview
地元の高校を卒業後、東京の漆器問屋に就職しました。都内のデパートを担当し、椀、菓子鉢、盆など山中漆器が都会の人たちの日常生活にとけ込んでいることを知りました。市場で山中漆器は安価な物として認知されていますが、漆を薄塗りした器は山中漆器しかありません。漆を厚く塗り重ねる器もありますが、素材を活かし、なじみやすいデザインが山中漆器です。これからも伝統ある山中漆器の技法を基に、現代のライフスタイルに合うような商品を開発していきたいと思います。
Recommendation
山中漆器の個性を発揮しながら、現代の生活に採り入れられる新たな器の形を考え、2010年に誕生したのが茶筒「Karmi」です。海外でも使用頻度の高い食器として紅茶用の茶筒に着目しました。木地挽きの細かい模様を強調するため、あえて漆は薄く塗って洗練したデザインに仕上げました。昨年2月のドイツの展示会では優れた意匠の製品に贈られる「デザインプラス賞」を受賞しました。ミズメを素材に山中漆器特有の加飾挽きで千筋と呼ばれる細い溝を表面に刻んだオブジェのような形です。木地職人の技術で実現した蓋の開閉の滑らかさや、南部鉄瓶に合わせツヤを消した黒漆の色も評価されました。Karmiの茶筒は、温度や湿度などの外気の影響を受けにくく、茶の風味を逃さないのが特徴です。種類は、紅茶の茶葉が100グラムが入るタイプと、50グラム入るタイプ。それに、日本茶の茶葉が100グラム入るタイプがあります。価格は7875円(税込み)から1万3650円(同)まで。それぞれSoji、Fuki、Sumiのカラーがあります。
株式会社 我戸幹男商店
GATO MIKIO CO.,LTD
URL: http://www.syosenjapan.com/
住所: 石川県加賀市山中温泉上原町ヨ−58−1