株式会社 高橋徳
Coporate Profille
手描き友禅をなりわいにする髙橋德の創業は1889年。450年以上の歴史を持つ友禅染の老舗「千總」(京都市中京区)の専属友禅工房として、100年を超える取引関係が続いています。創業100周年を迎えて以降は、独自事業の展開を積極化しています。第1弾として友禅染の教室を始め、約3年前にはカードケースなどの友禅小物を販売するショップも開きました。さらに、2011年2月には工芸品などの作品発表やイベントを開くギャラリーの運営を始め、異業種の魅力も伝える発信拠点として貢献しています。
Story
江戸時代中期に京都の扇絵師だった宮崎友禅がデザインした着物が人気を博し、爆発的にヒットしたことから「友禅染」と命名されたと伝わっています。江戸幕府5代将軍、徳川綱吉の時代に定められた「奢侈(しゃし)禁止令」により、刺しゅうや金糸などが使えない状況となり、使用可能な染め物の手法を守りながら知名度の高い宮崎友禅が文様を考案しました。着物と扇絵師のコラボレーションにより、当時の人々の心をつかんだ友禅染が完成しました。明治期以降は量産に向く型紙を使う型友禅も始められています。
Interview
現在ではいろいろな業種で売れるものしかつくらないが、昔は違っていました。伝承していかなければならない技術や職人技があり、技術の伝承では売れないものもつくる必要があります。それはコストではなく投資となります。仕事のルーツを知ることも大切です。伝統産業を苦労してつないでくれた先人がいることを知れば、今、自分がやるべきことが見いだせてくれます。好きか嫌いか、損か得かといった目先のことではなく、前向きに仕事に取り組むことができます。
Recommendation
ショップで販売する友禅小物は帯留めや匂い袋、カードケース、足袋入れ、メガネケース、数寄屋袋、信玄袋など幅広くラインアップしています。価格は帯留めが2200円、カードケースが4600円、数寄屋袋の小サイズが1万5000円など。着物と同じ工程を経て制作される製品が手軽に購入できることから、顧客に喜ばれています。
そのほかでは、手描き友禅の色さしが自宅で本格的に楽しめる「手描友禅体験キット」も販売しています。最後はバッグなどに仕上げてもらえるため、自分で工程の一部を手がけた製品を使って楽しむことができることも魅力となっています。
また、創業100周年記念制作として国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が所蔵する資料や写真を参考に、「京名所文様小袖」という江戸時代中期の着物を手描き友禅で復元することにも取り組みました。売り物ではなく保存してあり、同社の技術水準を知らしめる象徴となっています。
株式会社 高橋徳
Takahashitoku
URL: http://www.takahashitoku.com/
住所: 京都府京都市中京区新町通二条上る二条新町717