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有限会社 印傳の山本

Coporate Profille

 山本裕輔氏の祖父にあたる金之助氏は戦前、山梨県の印傳屋に勤務していました。戦後、いままで得た技術を昇華できないかと考え、山本商店を立ち上げ、印傳のほかにランドセルやオリジナルの革製品全般を扱いました。金之助氏は特に米国に影響を受けており、伝統的な印傳とともに原色を取り入れた新しい感覚の製品を手がけていました。
 金之助氏から伝統の印傳作りを引き継いだ二代目の誠氏は、経済産業省から国内で唯一、甲州印傳伝統工芸士の資格を与えられています。

Story

 印傳は鹿革に煙や染料で着色し、漆をつけて加工した工芸品。もともと鹿革の加工製品は西暦500年頃、中国から伝わりました。戦国時代に入ると軽く丈夫な点が重宝され、甲冑に使われました。武田信玄が自身の甲冑に使い、優れた点を認めると山梨に技術を根付かせ、産地としての礎を築きました。江戸時代になると革製品の用途は巾着など身近なものに変わっていきます。印傳という呼び名は、インドから伝来した更紗に使われていた幾何学模様を取り入れたことなどが由来として伝わっています。

Interview

 印傳は伝統工芸品として、ある程度評価されており、この状況を維持していかなければいけないと思っています。外見は昔のままでも中身の機能を進化させるなど視覚的、機能的に顧客を飽きさせない工夫が必要です。
 一般的に伝統工芸品は若い人の顧客開拓が難しいので若い世代が使うアイテムに伝統工芸品を組み込むことで、次世代を担う人々に使ってもらいたいです。昔から日本の革製品といえば鹿革でした。鹿革製品が世代を超え、多くの人に愛されるよう製品作りを通じ、魅力を伝えていきたいです。

Recommendation

 江戸時代中期から庶民の持ち物となった印傳は、明治時代にかばんや財布、小銭入れとアイテムが充実していきます。時代ごとに人々のニーズにあった製品を生みだせる点が強みで、印傳の山本では現在、新分野の代表的な製品としてスマートフォン(多機能携帯電話)のケースを扱っています。
 スマホケースはフルオーダーで作り、納期は約1カ月、価格は8000円から。革の色が15色、漆の色が5色、柄は250パターンを用意しています。これら約1万通りの中から好みの組み合わせを選べます。「一品モノ」の工芸品が好まれるのは今も昔も変わりません。
 柄の多さは同社の強みで伝統的なものが50パターン。平成に入ってから新しい柄を200パターン増やしました。ほかにはゲームとコラボレーションした製品を手がけるなど、従来品とともに若者層を意識した製品開発にも力を入れています。
 一方、以前からの製品として財布、かばんがあります。財布はカードを多く入れられるよう工夫し、現代で必要とされる機能を取り入れて作っています。価格は一万円前後で比較的安価な印鑑ケースは贈答品として使われることが多いです。

有限会社 印傳の山本

inden-yamamoto

URL: http://www.yamamoto-inden.com/
住所: 山梨県甲府市朝気3丁目8−4



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