堀内ウッドクラフト
Coporate Profille
堀内ウッドクラフトは、堀内良一さんが約10年間の下積みを経て、1993年4月に28歳で独立、創業しました。創業以来、一人で切り盛りしています。創業後、2000年ごろまでは、ろくろを用い、おわんやお盆などの木工品を製造していましたが、需要の低迷もあり、業態を大幅に変更しました。現在、地元の神奈川県から依頼されたノベルティーグッズの製造、医療用木工玩具の開発・製造、他社へのOEM(相手先ブランド)供給が業務の3本柱となっています。
Story
小田原木工は約1000年の歴史があると言われています。元来、神奈川県西部は丹沢山系をはじめとして緑豊かな森林地域でもあることから、地元の木地師によって漆器や寄せ木の小箱などが作られるようになりました。江戸時代には、江戸の町人が湯治で箱根を訪れた際、現地のおみやげとして高い人気を集めました。開国時は伝統工芸品として外国に輸出するために、横浜や下田に数多く出荷されました。年々、事業者は減少していますが、きめの細かい技術は今でも脈々と受け継がれています。
Interview
ただ漠然と「長い歴史や伝統のある小田原木工を大切に受け継いでいこう」では先は厳しいと思います。時代の移り変わりが激しい今、工芸品自体も変わっていかないといけません。そのときどきのニーズに合った製品を作る必要があります。また、将来にわたって小田原木工が人々に受け継がれるためには、職人が安心して食べていけるようにならなければいけません。若者が「木工職人をやってみたい」と夢見ることができるよう頑張っていきたいです。
Recommendation
子どもに手術などの医療行為を理解してもらうための「医療用木工玩具」を製造しています。現在、売り上げの4割を占める主力分野ですが、堀内さんは「これほどニッチの製品を作っているのは世界でもここだけだ」と自負しています。きっかけは03年、日ごろ懇意にしていた神奈川県の森林行政を担当する職員から「入院中の子どもが、自分に行われる治療方法や手術器具を知ることができる木工玩具を作ってくれないか」と依頼されたことです。早速、製作し、神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)に納めると、病院関係者から「口で説明するより分かりやすい」好評を得ました。医療学会でもたびたび紹介され、現在、国内で100を超す医療機関に納入。米国やベルギー、中国の医療機関にも採用されました。核磁気共鳴画像法(MRI)装置やコンピュータ断層撮影(CT)機器を、手のひらに軽く乗せることのできる大きさにまで、小型化。「木の持つ温かみ、ぬくもりが子どもたちに安心感を与えたことも、採用につながったのではないか」と堀内さんは考えています。
堀内ウッドクラフト
Horiuchi Woodcraft
URL: http://www.horiuchiwoodcraft.com/
住所: 神奈川県足柄上郡大井町西大井339−4