輪島キリモト・桐本木工所
Coporate Profille
「人の手から生まれる美しいモノたち」
江戸時代後期から明治にかけては輪島塗器製造販売を営んでおり、昭和の初めに初代桐本久幸が木を刳る事を得意とする朴木地屋を創業しました。2代目、3代目と続き、現在は漆の器、小物、家具、建築内装材に至るまで、漆が今の暮らしにとけ込むような可能性に挑戦し続けています。
主な経歴:
- 2007年 とらやミッドタウン店「いつものうるし展」開催。
- 2007年 ルイ・ヴィトン×SPUR×輪島キリモト
モノグラム模様漆の六角小箱「BOITE LAQUEE WAJIMA」製作。 - 2008年 ヒルトン東京「CHOCOLATE Boutique Tokyo」
巨大な漆カウンターを納品。
Story
日本海に面する石川県輪島。塗って固まらせる際に湿気が必要な漆にとって、降雨水量が多く湿度も高い風土はとても相性が良いのです。輪島塗技法の基本は本堅地技法。天然木を使い、木部強化の漆布着せを行います。下地塗りは輪島市内から産出される珪藻土を焼成粉末した輪島地の粉を使い、研ぎ、中塗、上塗を経て、九層もの構造で作られます。長い年月普段使いして表面に痛みが出てきたとしても、もう一度直すことができるのです。輪島キリモトは、その他に、同じ素材を生かしながら、傷が付きにくい独自の「makiji技法」「千すじ技法」など使い手の視点に立った新技法も開発しています。
Interview
モノがあふれすぎている現代、優しくて気持ちよいと感じるものが世の中にどれくらいあるでしょうか。私たちは「いつものうるし」をテーマに、日々ものづくりに励んでいます。普段使いすることで、気持ちのいいもの、持つとほっとするもの、食べるものや飲むものがより美味しく感じられる器などを考え作り続けています。私たちが作るものは特別なものであってはいけないのです。「ふと気がつくと隣にいてほっとする。」そんな存在でありたいという想いを大切に、今もこれからもお客様と対話しながらものづくりを続けてきたいのです。桐本泰一
Recommendation
「四方片口とぐい呑み」
四方片口の木地は、20年以上落ち着かせた朴(ほお)を使っています。側板は厚い板材を曲面がついたカンナで刳りだし、四面接着して箱状にします。口の部分は三角に切れ込みを入れて、ブロック状の朴を組み込み、鋭利な小刀、指先ほどの小カンナを駆使して、流れるような曲面を作り出すのです。底板は黒拭き漆作業の最後に接着します。本体の内隅には漆と米糊、ケヤキの木粉を混ぜたこくそ漆にて隅丸形状を作ります。洗いやすさと本体補強の意味があります。口先の形状には特に細心の注意を払い、日本酒などの切れが良く使えるようにしています。完成しても水分を保湿し続ける漆器は、しっとりと深みのある表情でヒトの手や唇に優しい素材です。漆のぐい呑みで日本酒などを飲むと、滑らかな口当たりで、より美味しく感じることができるのです。
輪島キリモト・桐本木工所
Wajima Kirimoto / Kirimoto Wooden Craft Workshop
URL: http://www.kirimoto.net/
住所: 石川県輪島市杉平町成坪32